2006年09月09日
戦いの裏側。
USオープンもいよいよ大詰めとなりましたね。女子の決勝戦はジュスティーヌ・エナン=アルデンヌとマリア・シャラポワで争われることになったわ。でも今日はこの二人のお話じゃないの。今大会、台風の目となった第19シードのイェレーナ・ヤンコビッチ。3回戦では第9シードの二コール・バイディソバを、続く4回戦では第6シードのスベトラーナ・クズネツォワを、準々決勝では第4シードのエレーナ・デメンティエワを撃破しての快進撃。今シーズンの序盤は極度のスランプに陥り、テニスを辞めようかとも思ったくらいだったんだって。そんな彼女、実は数日前にちょっとしたアクシデントに見舞われていたの。それはベスト4入り一番乗りを決めた次の日の水曜日の出来事だったんだって。
「今はアメリ・モレスモに本当にありがとうって言いたいわ。なぜなら、彼女は専属の理学療法士に私の体のケアーをさせてくれたの。彼の治療はすごく効果があったわ。それがなかったら準決勝なんてとても戦えなかった。だからすごく感謝してるの。水曜日のダブルスの試合の前に、ウォーミング・アップをしてたの。バックハンドを打った瞬間、体が動かなくなっちゃったの。何が起きたのか理解できなかったけど、それから動けなくなってしまったの。すごく痛みもあったし、その時は“やっちゃった”って思ったわ。体を曲げることも回すこともできなかったわ。もうプレーできないって思った。準決勝は無理ってよぎったけど、彼の治療で今日の試合をすることができたの。彼の評判はすごくよかったから、たぶんお母さんだと思うんだけど、私の体を診てもらえないかってモレスモに頼んだみたいなの。彼女は快く承諾してくれたわ。そんなこと頼む選手は他にいないんじゃないかしら。」
準決勝ではエナン=アルデンヌとフルセットの接戦を演じたけど、その影にはこんな事件があったのね。でも、モレスモももしかしたら戦うかもしれない相手なのに、その彼女を助けてあげたなんて・・・。レズビアンとしての印象が強いけど、パーソナリティは最高の女性ね!やっぱり人格って、そう言うものとは関係ないのよね。選手間の友情ってやっぱり素晴らしいわね!
それからこんなことも耳にしちゃったの。イギリス男子テニスの期待の星、アンディ・マレー君は、その若さと才能溢れるプレーやコーチング問題とかで、もうすっかりお馴染みよね。でも、彼にはこんな過去があったの。
それは10年間の1996年の3月。彼が若干8歳だった時のこと。地元スコットランドはダンブレインって言う街で、悲劇が起こったの。それはトーマス・ハミルトンと言う男が銃をもって小学校へ押し入り、無差別に発砲して子供16人、教師1人を射殺した事件。なんとマレー君はその小学校にいて、職員室に隠れて助かった生徒の一人だったんだって!その犯人は、直後に自分自身を打って自殺してしまったんだけど、マレー君曰く、その時のことはほとんど覚えていないとか。彼はそのことに関しては多くを語ろうとしないんだって。それはそうよね。お願いだから、そんなこと聞かないでって思わない。やっと忘れたんだろうから!その時、亡くなった友達や先生のためにも、立派はトッププロになってもらいたわね!頑張れ、アンディ!!!